エステ・脱毛サロンの開業について
自分磨きをする人が増えるにつれ、エステや脱毛サロンも、私たちにとって、とても身近な存在になっています。この記事では、エステサロンや脱毛サロンの開業を目指している方に向けて、開業するのに必要な準備についてご説明しています。現在、エステティシャンとして修行中の方は、ぜひ参考にしてください。
エステ・脱毛サロンの開業準備
エステサロンや脱毛サロンの開業を漠然と夢見ているだけでは、なかなか開業にこじつけることはできません。夢をしっかり具現化するためには、開業に向けて、自分が開きたいお店のイメージをしっかりと固めます。どんな物件を用意して、どんな内装や設備、備品が必要になるのか、しっかり考えてみましょう。サービス内容が異なれば、設備も備品も異なるものを用意する必要があります。すでにエステティシャンとして経験を積んでいる方なら、このあたりについては容易にイメージできると思います。できるだけ細かくイメージしておきましょう。
自宅で開業もあり得るエステ・脱毛サロン
エステサロンや脱毛サロンで特徴的なのは、自宅でも開業が可能なことです。自宅でサロンを開く場合は、比較的費用を抑えて開業できます。落ち着いた内装に変更する工事を行うことが多くなりますが、その費用は100~200万円程度が一般的です。自宅なので家賃を払う必要がなく、工事にもそれほどお金をかけない傾向があるようです。
一方、賃貸物件で開業する場合は、開業資金が多くかかりがちです。物件の契約だけでも家賃10ヶ月分の保証金を支払わなければなりません。物件の広さにもよりますが、工事費用は坪あたり15~30万円はかかるので、小さめのスペースだとしても工事には150~300万円程度はかかると考えたほうがよいでしょう。
エステサロンや脱毛サロンを開く場合、必要になるのがエステの種類に応じた機器や備品です。美容脱毛に使用する機器は高額なものが多いので、100~400万円程度は、機器のために割く必要があります。開業準備というだけなら、ご紹介したような額の資金を用意すればOKですが、実際に営業を始めるとなると足りません。当面(6ヶ月程度)の運転資金も用意しておく必要があります。
すべてを自己資金でまかなえない場合は、日本政策金融公庫などで行っている融資制度を利用しましょう。詳細な事業計画書を提出して、審査を通らないと融資は受けられませんが、銀行などと比較するとハードルは低めです。
助成金や補助金の利用も検討
エステサロンや脱毛サロンの開業の際にも、条件が合えば助成金制度や補助金制度を利用可能な場合があります。特に助成金は、従業員を雇うのであれば、条件が合っている限り受け取れますので、ぜひ利用を検討しましょう。返済する必要もありません。
物件選び
自宅(自宅・マンションなど)以外の場所で営業する場合は、基本的に賃貸物件を利用することになります。ただ、自宅の場合は集客に懸念があるので、もしもその点を問題視しているのであれば、賃貸物件を視野に入れる必要があるでしょう。
物件は、ロケーションだけではなく、そこにいる人々の属性、環境などを考慮して探すことが重要です。どんな人をターゲットにするのか慎重に分析できないと、どんなサービスを提供するのかという根本まで揺らいでしまいます。
エステサロンや脱毛サロンで重要なのは雰囲気作りです。そこが癒やしの空間ではない限り、お客さんは離れて行ってしまいます。
ターゲット分析をしっかり行い、ロケーション選びと雰囲気作りを行えば、一見、不利に思えるロケーションでも、ターゲットは必ず来てくれます。
主な賃貸物件
エステサロンや脱毛サロン向けの賃貸物件をタイプで分けると以下のようになります。
・スケルトン物件
スケルトン物件は、その名のとおり、箱だけで提供されている物件です。躯体がむき出しの状態なので、一からサロンを作る必要があります。
・居抜き物件
居抜き物件は、前の入居者もサロンを営業しており、内装や設備が利用できる物件です。開業費用を抑えられることが魅力ですが、集客面で問題があるケースもあるので、選ぶ際は慎重に検討する必要があります。
・路面店
商店街や街中の道沿いにある物件のことです。スケルトンの場合も居抜き物件の場合もあります。
・空中店舗
雑居ビルによくあるタイプのお店で、2階より上にあることからこのように呼ばれます。
エステ・脱毛サロンに適した内装とは
エステサロンや脱毛サロンには、もちろん店のカラーもありますが、やはり定番的な「癒やしをくれる」雰囲気があります。ここでいくつかご紹介しておきましょう。
・エレガントで高級リゾート的な雰囲気
個室でもオープンスペースでも、高級感があふれるリゾートホテルのような雰囲気は人々の心をつかみます。この雰囲気を作る際は、安っぽさを感じさせないよう、ある程度高級な建材を使う必要があります。
・シンプルイズザベスト
白や黒などで統一されたスペースは、お客さんに落ち着きを与えます。シンプルイズザベストともいえますが、間違ってしまうと、どこかの病院と似たような雰囲気になるので気をつけましょう。
・ぬくもりの家
ウッドを多く使用した、ナチュラルな雰囲気のサロンは、多くの人々を癒やしてくれます。ナチュラル系の小物や雑貨との相性もよいので、女性向けのサロンに最適です。自宅をサロンにする場合も、作りやすい雰囲気ではないでしょうか?
エステ・脱毛サロンを開業する際の手続について
現在、エステティシャンとして働かれている方はすでにご存じかと思いますが、エステサロンや脱毛サロンを開業するに当たり必要な資格は特にありません。実は誰でもできる、参入障壁の低いビジネスではあるのですが、もちろん、なんの証しも持たない人が簡単に信用される世界でもありません。
エステの世界にも業界団体が発行する民間資格はありますので、それらを取得しておくことは無意味ではありません。
エステサロンや脱毛サロンを開業する際に必ず行わなければならない手続は、ほかの事業と同様、個人事業の開業届の提出です。開業日から1ヶ月以内に、税務署に提出する必要があります。
開業するエステ・脱毛サロンのことを宣伝する方法
開業のための準備を進め、オープンの日が見えてきたら、お客さんの呼び込みを始めましょう。エステティシャンとしてお客さんを持っているという方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり想定したターゲットに来てもらわなければ、今後、ビジネスとして成り立ちません。そのために利用するのがSNSやブログの口コミ力です。
SNSやブログなどは、双方向のコミュニケーションが可能なメディアです。ネット広告は、ターゲットの属性を絞り込むことで直接リーチできるのでとてもおすすめです。SNSの書き込みで集客を狙う場合は、シェアされるコンテンツを作ることが重要です。まずはオープン時の集客のための記事に集中し、実際に集客できたら、お客さんがその体験をシェアしてくれるよう働きかけることも重要になるでしょう。
SNSを開設し、サロンに関する記事を投稿し続けると、時間はかかりますがジワジワと効果が出てきます。こちらも将来のために地道に続けましょう。
まとめ
エステ・脱毛サロンを開業するに当たり、必要な準備について解説してきました。どんなビジネスでも同様ですが、準備をしっかりすることが成功への最低条件です。まずは理想のサロンをイメージしてから、資金の準備や物件探しにとりかかりましょう。